Yahoo!知恵袋にこんな質問があります。
きつい言い方ってパワハラになるんですか?
それくらいと思うかもしれないですけど、たまにそんな言い方するか?
人を尊重してなさすぎる、という言い方の人いませんか?
あれって指導という名の元に守られていてそれを否定するものは精神的に未熟だと言われるから、誰も裁きようがないんですか?
この方の気持ちは非常によくわかります。
日々、つらい仕打ちに耐え続けて、ある日突然、
「いやいや、これひょっとしてパワハラなんじゃない?」
って気づく。
そういうことあると思います。
ただ、この知恵袋の質問はベストアンサーが存在せず、どの回答も曖昧なものでした。
ですが、はっきりと結論できます。
この質問者のケースはパワハラです。
その理由を詳しく見ていきましょう。
言い方がきつい上司はパワハラになるのか?厚労省の定義を確認する
「あの上司の言動、パワハラにあたるのかな…?でも人事部に相談する勇気は出ない…」
こんな風に悩んでいませんか?
実は、あの上司の言動がパワハラに当たるかどうか?は自分でも簡単にチェックができます。
なぜなら、厚生労働省によって、パワーハラスメントの定義が定められているからです。
厚生労働省によると、職場におけるパワーハラスメントは、次の3要件をすべて満たしていることと定められています。
厚生労働省によるパワハラ3要件
- 優越的な関係を背景とした言動であって、
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、
- 労働者の就業環境が害されるもの
これは、「労働施策総合推進法」という法律に定められていることを要約したものです。
労働施策総合推進法
(雇用管理上の措置等)第30条の2
事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
2 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。厚生労働省 職場におけるハラスメント対策パンフレットより引用
厚生労働省が定めるこの定義をもとに、知恵袋のケースがパワハラになるのか?を分析していきます。
言い方がきつい上司はパワハラになるのか?知恵袋のケースを分析
結論から言うと、この知恵袋のケースは明らかにパワハラに該当しています。
それはなぜか?というと、質問の内容が、3要件を満たすかどうか?を判定することでパワハラかどうかわかります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
要件① 優越的な関係に当たるか?
一見、知恵袋のケースには優越的な関係を背景としていると書いてないように見えますが、実はこのように書いてあります。
あれって指導という名の元に守られていて
この「言い方がきつい人」は相手を指導する立場にいる、つまり、上司または先輩など、優越的な立場にいることが明らかです。
すなわち、この知恵袋のケースは要件①に合致することがわかります。
要件② 業務上必要な範囲を超えているか?
業務上必要かつ相当な範囲なのか?についても明記されていません。
しかし、次のような記載があります。
人を尊重してなさすぎる、という言い方の人いませんか?
「人のことを尊重しない言い方」が、”業務上必要である”とは考えにくいでしょう。。
これは、この「言い方きつい人」の言動が、業務上の必要かつ相当な範囲を超えていると考えてよいでしょう。
つまり、この知恵袋のケースは要件②にも合致しているであろうことがわかります。
要件③ 労働者の就業環境が害されているか?
最後に労働者の就業環境が害されるものなのか?について見ていきます。
これも、先の2つと同様、明確に記載されていませんね。
でも、
それを否定するものは精神的に未熟だと言われるから、誰も裁きようがないんですか?
とあるように、この言い方がきつい人が「裁けない」と考えられてしまっています。
つまり、言い換えると「質問者の職場では現に被害が出ているが、”指導”という言葉を盾にとられて」質問者たちはヤキモキしてしまっていると言えます。
案の定、回答してくれた人への、質問者の返信を見ると、このように書いてます。
キツすぎる人、明らかに何回も言い過ぎな人いませんか?
それが原因で辞める人もいるけれど、指導といえば指導だし、なんとも言えない、言っている内容も指導と言えば逃げられる。
けど、現に人が辞めてて周りの被害が出てる、とかいう時、この人を止めようがないですよね?
質問者の職場環境では、この「言い方がきつい人」のせいで精神的に参ってしまい、辞める人が実際に現れているようです。
すなわち、質問者のケースは要件③労働者の就業環境が害されるものにも合致するということがわかります。
知恵袋のケースはやはりパワハラだった!
ここまで見てきた根拠から、知恵袋のケースはパワハラに該当する可能性が極めて高いものと考えられます。
このように要件①〜③に合致しているのか?を1つずつじっくり確認していくことで、パワハラかどうかのセルフチェックは可能です。
下の画像に3要件をわかりやすくまとめました。
ここで、もう一度おさらいしておきましょう。
ぜひ、自分自身の環境を振り返って、あなたの状況に当てはまるかどうかチェックしてみてください。

ここからは、あなたの上司がパワハラに該当しそうだとして、「ではどうすればいいのか?」を具体的にお伝えしていきます。
「言い方がきつい上司がパワハラかも?」と感じたとき、とるべき行動は?
もし、あなたの上司がパワハラかも?と感じたら、どう行動していくべきでしょうか?
以下の記事にまとめておきましたので、ぜひ参考にしてください。
>>記事作成中
「言い方がきつい上司がパワハラかも」と感じたときやってはいけないのは?
一方で、「言い方がきつい上司がパワハラかも」と感じたときにやってはいけないことがあります。
上司のパワハラに悩む気持ちもとてもよく分かるのですが、取った行動によっては、あなたに不利に働いてしまうこともあります。
詳しくは以下の記事にまとめてありますので、まだ読んでない方はこちらも確認しておいてください。
>>言い方がきつい上司がパワハラかも?と思ったときにやってはいけないNG行動
言い方がきつい上司のパワハラのターゲットにされやすいのは?
実は、言い方がきつい上司からパワハラのターゲットにされやすい人とされにくい人がいるというのをご存知ですか?
自分がパワハラのターゲットにされやすいかどうかを知っておくのはとても重要です。
以下の記事の中でわかりやすく解説していますので、ぜひ自身の状況と照らし合わせて確認してみてください。