『あの人、いつも言い方がきつい…でも全然悪気がなさそう。』
こんな風に悩んでませんか?
実はその人、「自覚がない」だけかもしれません。
「自覚させれば変わるのでは?」と思いがちですが――。
実は、自覚しても変わらないこと、案外多いです。
この記事では、言い方がきついけど自覚がない人にどう働きかければいいか?について解説していきます。
言い方がきつい人が自覚ない背景とは?
残念なことに、言い方がきつい人には自覚がない人も多いです。
じゃあ、なぜ自覚がないんでしょうか?
その背景には、その人自身の育ちが関わっていると言えます。
つまり、「育ってきた環境の中で、それが普通だった」からです。
実際、かつての私もそうでした。
その人自身が、ずっとその会話スタイルで来たため、自覚するのが難しいわけです。
言い方と育ちの関係についてはこの記事で解説しています。
>>言い方がきつい人は育ちの悪さが7割。残りの3割は?
言い方がきついのに「自覚がない人」の3つの特徴とは?
きつい言い方をしている自覚がない人の特徴として挙げられるのは、
- 正論だから何を言ってもいいと思っている
- オタク気質で自分の意見を伝えるのに必死
- 自分を受け入れてくれる人とだけ仲良くしようと思っている
などがあります。
①と②については以下の記事で詳しく解説しているので、こちらをお読みください。
>>言い方がきつい人の特徴とは?7つのタイプ別の対処法とは?
>>正論だけど言い方がきつい人はなぜ嫌われるのか?
問題なのが、『③自分を受け入れてくれる人とだけ仲良くしよう』と思っている人です。
実は自覚がある人たちの集まり?
一見、「無自覚」に見えても実はちゃんと自覚している人もいます。
それが③の人たちです。
もしかしたら、あなたもこんなこと言われたことがあるんじゃないでしょうか?
- 「こんなことで傷つくわけ?」
- 「そんなメンタルじゃ社会でやってけないでしょ」
- 「なんでいきなり泣くの?」
こういう言葉を口にする人は、自分の言い方が相手を傷つけることがわかっています。
それでも変えようとしないのは、「自分が間違っていると思っていない」からです。
むしろ、「その程度で傷つく相手のほうに問題がある」と考える傾向があります。
だから自分を省みることは少なく、むしろ相手を遠ざける方向に進んでしまいます。
結果として、「自分を受け入れてくれる人とだけ関わればいい」という姿勢になるのです。
このタイプの人たちには、「言い方を変える必要性がある」と感じるように働きかけなければならないのです。
本当に無自覚な人もいる?
一方で、中には本当に無自覚な人もいるでしょう。
しかし実はそういった完全無自覚な人たちは、案外言い方を直してくれる希望があります。
だって今まで気づいていなかっただけなんですから。
そういったタイプの人は、けっこう素直に他人の意見を受け入れてくれる人も多いです。
そのため本当に無自覚な人に対してもこれから紹介する方法は効果があると言えます。
言い方がきつい人に自覚させる方法は?
「言い方を変える必要がある」と本人に気づいてもらうのは至難の技です。
でも、それでもなにかできることがあれば知りたくありませんか?
ここからは言い方がきつい人に自覚させる方法を紹介していきます。
なぜ必要性がなければ人間は変わらないのか?
その前にちょっとだけ、なぜ人間は必要性がなければ変わらないのか?について改めてお話します。
結論から言えば、必要がなければ自分を変えようとしないのは、生存本能によるものです。
人間には現状維持を好む”現状維持バイアス”と呼ばれる性質があります。
現状維持バイアスは「生存本能」とも言いかえられます。
…と言われてもなかなかピンときませんよね。
ちょっと想像してみてください。
まだ人間が森の中で暮らしていた太古の昔。
知らない場所に入るのはとても危険でした。
獰猛な獣の縄張りに入れば襲われるし、知らない毒虫などもいるかもしれません。
だから、「今と同じことを続ける」のが生き延びるのに一番効果的でした。
この「変化を避ける感覚」が現代にも残ってて、人間は現状を変えるのを嫌うのです。
本人に自覚させる方法は?
ところが、「言い方を変える必要がある」と本人に気づかせるのは至難の技です。
まずそもそも、言い方がきつい人に「きつい」と伝えること自体がとても勇気がいるはずです。
特に、相手が上司や先輩など立場が上の人だと、なおさら難しさを感じますよね。
ここではできるだけ無理なく、本人に気づかせるための方法を3つ紹介します。
現実はそう簡単ではありませんが、状況によってはどうにかできる場合もあります。
そのための方法を3つ紹介します。
- 自分の感情を伝える
- 全員で議論する場を設ける
- お願いする態度で伝える
それぞれ詳しく解説していきます。
それぞれの方法について「相手が必要性を自覚して変わる可能性」を☆〜☆☆☆で評価しています。
※ここでの☆は「相手が変わる必要性を感じる可能性」を示しています。
☆=低い、☆☆=やや可能性あり、☆☆☆=比較的可能性高いと考えてください。
自分の感情を伝える(☆)
まずは自分の感情を伝える方法です。
これが最もオーソドックスでシンプルな方法です。
つまり正面突破。
たとえば、
- 『さっきの言い方ちょっとびっくりしちゃいました…』
- 『その言い方は少し傷つきました』
- 『今の言い方はちょっと怖かったかもです…』
と、やんわり伝えてみましょう。
ポイントは相手の言い方を否定するのではなく、”自分がどう感じたか?”を伝えることです。
要するに相手に対して「私は傷つきました」と意思表示をするのです。
注意したいのは、「その言い方はひどいです!」と相手の言い方を否定するようなフレーズはNGということです。
あくまで自分の感情にフォーカスして伝えましょう。
ただし、「ただの感情論」や「個人の繊細さの問題」とスルーされがちでもあります。
相手に必要性を感じさせるのは、やや難しいので、☆としました。
みんなで話し合う場をつくる:(☆☆)
相手に直接、自分の感情を伝えるのは難しい、または怖いなどということもあるでしょう。
そういったときは、全員で議論する方法をとるのも良いかも知れません。
あなたから提案することは難しいと思いますので、さらに上の上司に現状を説明し、話し合いの場を設けてもらえないか相談してみるといいでしょう。
この方法のよいところは、「言い方がきついことをはっきりと指摘できる」ということです。
さきほどの方法は、いわば「やんわり伝える」方法でした。
対してこの方法は、「その人の言い方そのもの」が議題です。
つまり、直接的に言い方がきついと本人に伝えられる可能性があるということです。
ところが、この方法にも2つのデメリットがあります。
1つは、本人が「自分の言い方がテーマだ」と気付かない可能性です。
これについては、場を取り仕切る人に「あなたのことで話し合います」と事前に伝えてもらえるとより効果的でしょう。
もう1つは、「あなたのことで話し合います」と伝えることで、「自分がやり玉に挙げられた」と感じさせてしまうことです。
素直に「良くない言い方だった」と受け取れる人の場合は効果的ですが、そうでない場合は反発を生むこともあります。
自分が否定されたと感じると、不貞腐れる人も多いので、この方法をとる場合は慎重に進めるべきでしょう。
お願いする態度で伝える:(☆☆☆)
最後に「相手にお願いする方法」を紹介します。
基本的に人は、他人からなにかを指摘されることを嫌います。
だから、『今の言い方は良くないです』などと伝えるのは基本的に逆効果となることを覚えておいてください。
ではどうするか?というと、相手にお願いする態度で伝える方法をとるわけです。
この方法は、特に部下や後輩に対して使えるスタイルです。
しかし、もしあなたが上司や先輩の関係に悩んでいても、他の人(上司の上司や人事など)がとってくれるよう働きかけるという使い方もできるでしょう。
ポイントは、相手がポジティブに受け取れるように伝えるということです。
つまり、
- 言い方がきつい人が言っている内容自体は正しいことを伝える
- その上で、その言い方で損していることを伝える
- だから言い方を少しでも変えてほしいとお願いする
という流れです。
具体的にはこんな風に伝えると良いと思います。
あなたが言ってること自体は、ほんとに正しいと思う。
ただ、さっきの言い方はちょっときつく聞こえたかも。
内容はすごくいいのに、言い方ひとつで損するのはもったいないよね。
私自身も、昔そういうことで誤解された経験があってね…。
だからあなたにはそんな風に誤解されたり、嫌われたりしてほしくない。
だって、せっかくすばらしいものを持ってるんだから。
あなたにはもっともっと伸びてほしい。
そうなると、私もうれしい。
だから、どうかな?
私のためにも、ちょっとだけ言い方を工夫してもらえないかな?
このように相手のメリットに訴えかけると効果が高いです。
言い方がきつい人に自覚させるためにできることから始めよう
いきなり何かを変えようとすると大変です。
うまくいかないこともあるかもしれません。
だけど、何も言わなければずっと変わらないままです。
だからこそ、できそうな方法から試してみてください。
まとめ:「言い方がきつい」と自覚ない人には必要性を感じさせる
今回は言い方がきついと自覚がない人に自覚させる方法について解説してきました。
ポイントは、本人に自覚させるだけでは不十分だということ。
人間は、必要に迫られなければ自分を変えることはしません。
今回紹介したような方法を使って、相手に必要性を感じさせるよう働きかけてみましょう。