「ズキン」
あの人の言葉に今日も傷つく…。
もしかしたらあなたのそんな経験をしたことがあるかもしれません。
特に言い方がきつい人の物言いって心の奥深くまで鋭く突き刺さって、なかなか忘れられないものです。
そんなとき、『私が悪いのかな…。』とか『こんなことで傷つくなんて…。』と自分自身を責めてしまってませんか?
大丈夫です。
この記事では、言い方がきつい人の言葉に傷つきやすいあなたが、自分を守る方法をやさしくお伝えしていきます。
あなたが、「傷ついた」のは間違いじゃありません。
その傷を受け止めて、「じゃあどうすればいいの?」をいっしょに確認しましょう。
なぜ言い方がきつい人の言葉に傷つくのか?
あなたが「言い方がきつい人の言葉」に傷つくのは次の2つの理由があります。
- 言い方がきつい人にひどい言葉をなげかけられているから
- 言い方がきつい人の態度や口調、語調など雰囲気に威圧されているから
すこし詳しくお話ししていきますね。
「ひどい言葉」による直接的な傷つき
まず1つ目の理由は、ストレートにひどい言葉を投げかけられているからです。
たとえば
- 「同じこと何回も言わせるなよ」
- 「常識で考えればわかるだろ?」
- 「なんでそんなことになるの?意味わからない」
みたいな感じです。
これらは、
- 人格を否定する
- 能力を否定する
- 存在を軽んじる
というニュアンスが強く、あなたの存在をガリガリ削るようなものです。
こういった言葉はあなたの心をむしばみます。
けど実は、こういった言葉よりも、あなたを強く傷つける要素があることを知っていますか?
言葉以外の部分
実はあなたが感じる”つらさ”の大部分は、「言葉そのもの」よりも、それ以外の部分にあるんです。
ここで役に立つのが、「メラビアンの法則」という考え方です。
メラビアンの法則とは、人と人とのコミュニケーションにおいて、何に強く影響されるのか?という割合のことです。
具体的には、人間がコミュニケーションを取るとき、次の割合で影響されることがわかっています。
- 視覚情報:55%
- 聴覚情報:38%
- 言語情報:7%
視覚情報とは、
- 相手の表情
- 体勢
- 机を叩くなどの動作
- 誰が言ってるか
など、目から入ってくる情報で、なんと、55%も影響されます。
聴覚情報とは、
- 声のトーン
- 声量
- スピードや抑揚
などといった、耳から入ってくる音自体の情報で、なん38%も影響されるということです。
言語情報つまり、「相手が何を言ってるか?」そのものにはたった7%しか影響されません。
逆に言えば、「相手が何を言ってるか?」という言語情報以外の部分が実に93%も占めているということになるのです。
「人は話し方が9割」と言われるゆえんは、ここにあるわけです。
なぜ言語情報以外の部分で傷つけられたと感じるのか?
「誰かが強い語調で、大きな声で、机をバンバンたたきながら、何か言われている」
そんな場面を想像してみてください。
あなたの中に思い浮かんだのは、「教卓の前で担任の先生に怒られてうつむくのび太くんの姿」ではありませんでしたか?
そうなんです。
先ほど挙げたような状況は、私達に「叱られている子ども」を連想させるんです。
そして、私達には、「子どもが叱られる=悪いことをしている」という意識が刷り込まれてしまっています。
その結果、あなたは「私は悪いことをしている」と無意識に思い込んでしまって、自分を責め、傷ついてしまうんです。
傷つかないために今すぐできることは?
じゃあ、言い方がきつい人に傷つけられたらどうしたらいいのか?についてお伝えしますね。
具体的には次の5つの方法をおすすめします。
おすすめの対処法
- 心理的に距離をとる
- 物理的に距離をとる
- 信頼できる人に話す
- 紙に書き出す(2通りの方法)
・心の整理:「嫌だったことを書き出して破り捨てる」
・内容の整理:「言われた内容を書き出して整理する」 - 砂時計メソッドを使う
それぞれについて詳しく解説していきますね。
心理的に距離をとる
相手の言葉や態度すべてを、「あなたへの攻撃」として受け取ってしまうと、ダメージ倍増です。
だからまずはきつい言い方をされたら「これは私への攻撃じゃない」とこころの中でつぶやくようにするとよいでしょう。
すると相手の間に境界線が引かれ、心理的な距離が取れます。
物理的な距離をとる
物理的な距離がとれるなら、ぜひそうしましょう。
たとえば、
- 席を変えてもらう
- 別部署への異動を希望する
- 休憩時間をずらす
などです。
こういうのを「逃げ」と表現する人もいますが、決して悪いことじゃありません。
現状を見て見ぬふりするよりも逃げた方がずっとあなたのためになるはずです。
信頼できる人に話す
信頼できる人に話すのもおすすめです。
気持ちを外に出すことは、心の整理と回復にとても効果的です。
たとえば、友達や、両親などに話してみましょう。
もちろん、職場の同僚や上司に相談するのも一つの手ですが、少し注意が必要です。
なぜなら、思わぬ形で本人に伝わってしまうリスクがあるからです。
注意したいのは、話すときにグチや文句にならないように気をつけることです。
なぜかと言うと、泥を投げられて、嫌な想いをしたからって泥を投げ返すと、あなたの手も汚れてしまうからです。
話すときは、率直に、自分がどんな気持ちになったかについて話すとよいでしょう。
紙に書き出す(2通りの方法)
「言われたことを紙に書き出す」のも非常におすすめです。
紙に書き出す方法には次の2種類あり、目的が異なります。
- 嫌だったことを書き出して破り捨てる(心の整理)
- 自分が何を言われたかを注意して書き出す(内容の整理)
一言で言えば、「心の整理」か、「内容の整理」かです。
心の整理:「嫌だったことを書き出して破り捨てる」
これは、心の整理のために行います。
モヤモヤを言語化することで、「私はこの言葉に傷ついたんだ」という気づきにつながります。
さらにおすすめなのが、この書き出した紙を破って捨てることです。
破いて捨てることで、「もうこれは手放していい」という決別の儀式にできます。
脳は行動と感情を結びつけるので、かなりスッキリします。
内容の整理:「言われた内容を書き出して整理する」
一方こちらは、内容の整理のためにやります。
メラビアンの法則でも話したように、あなたが傷つけられている大きな要因に、相手の態度や声のトーンなどがあります。
もちろん、そんな言い方をする相手が100%悪いのは間違いないんですが、しかし、相手が正論を言っているという場合も少なからずあるはずです。
そこで、次に同じ間違いを起こさないために、言われた内容をしっかり書き出して、整理するようにしましょう。
自分ではうまくまとめられない場合などはchatGPTなどに、内容を投げかけてみて要約を任せてみてもいいでしょう。
砂時計メソッドを使う
きつい言い方をされたら、どうしてもヘコんでしまう。
その後は、仕事も何も手につかず、また怒られてしまう。
という経験がある人もいるんじゃないでしょうか?
そんなあなたにおすすめしたいのが、「砂時計メソッド」です。
砂時計メソッドは、かつて私が辛かったときに、何か落ち着く方法はないかと模索して考え出したものです。
これをやるようになって、私は驚くほど心が落ち着いたので、ぜひこの記事を読んでいるあなたにも試してもらいたいと思い、紹介することにしました。
方法としては、とっても簡単。
自分の机の上に用意しておいた砂時計をひっくり返して、砂粒が落ちていくのをただ見つめるだけです。
なぜ砂時計メソッドに効果があるのか?というと、次の3つの理由です。
- 切り替える動作を目に見える形にすることで、納得感が増す
- 短時間でのマインドフルネス効果
- 呼吸がゆっくりになり、自律神経を整う
切り替える動作を目に見える形にすることで、納得感が増す
感情の切り替えって目に見えないので案外、難しいものです。
いくら「よしっ!」なんて言っても切り替えられないってことはザラ。
その点、「ひっくり返す→流れる→終わる」を見届けることで、頭を自然に切り替えることができるんです。
短時間でのマインドフルネス効果
落ちていく砂をじっと無心で見続けることは、”今ここ”に意識を集中する効果があります。
これは、近年注目されている、マインドフルネス瞑想を簡易的に行うことになるので、心が落ち着けられるのです。
呼吸がゆっくりになり、自律神経を整う
きつい言い方をされて傷つけられた直後なんかは、特に呼吸が浅くなっています。
呼吸が浅いと、自律神経の乱れに繋がります。
その状態は、余計に体に緊張を強いることになってしまうのです。
そこで、砂が落ちていく様をじっと見守ることで、自然と呼吸もゆっくりになっていきます。
要は、無意識に深呼吸を促す効果があるというわけです。
言い方がきつい人の言葉に傷ついて言い返すとどうなる?
「ひどいことを言われた。だから言い返したい」
そう思う気持ち、とってもよくわかります。
だけど、実際に言い返したらどうなるでしょうか?
正直に言って、言い返すのはあまりおすすめしません。
なぜなら、関係がこじれたり、職場での居心地が悪くなったりする可能性があり、言い返すのには相応のリスクが伴うからです。
だからって、「我慢し続けるしかないの?」というのもつらいですよね。
そのあたりのバランスについては、詳しくはこちらの記事に書いていますので、よければ参考にしてみてください。
言い方がきつい上司に言い返したい!でもその前に知っておきたいリスクと対処法
まとめ:言い方がきつい人に傷つけられたら。ちゃんと自分を守ってあげよう。
言い方がきつい人の言葉に傷つけられてつらい…。
それでも毎日ちゃんとがんばって過ごしてて、あなたはほんとうにすごいです。
今回は、傷つけられたらどうすればいいの?ということでいくつかの対処法を紹介してきました。
簡単に始められるものもあると思うので、どれか一つでもぜひ取り入れてみてくださいね。
私のおすすめは、もちろん「砂時計メソッド」です。
砂時計はAmazonなどで買えるので、ぜひ試してみてください。
ちょっとイイやつを買って机に置いておくと、ちょっとだけテンションも上がるし、「この子が守ってくれてる」という気持ちにもなるのでおすすめですよ。